2016年7月26日。あれから4年。
「津久井やまゆり園事件検証報告書」に書かれた内容について、福祉現場にいた者/EAPコンサルタントの立場でいろいろと思うことがあります。

【報告書 p.5、6】
「2 事件発生までの経緯 (1) 被疑者の採用及び採用当初の勤務態度と園の認識 イ 課題」について

検証委員会は、元職員の採用と指導について見解を述べています。

「イ 課題
① 事件を発生させた被疑者の元職員を雇用したこと 
 ② 被疑者の元職員の採用当初の指導の適切さ」とあり、
続く「ウ 委員会としての見解」では、
①について「共同会の対応に不足があったとは言えない」
②について「雇用し続けていたことは問題なかったと言える」としています。
要は使用者である共同会に「不足があったのではないか?」「問題はなかったのか?」と問うているのです。

事件で共同会は、利用者と職員に危害を加えられ多くの命を奪われるという甚大な被害を受けています。そして元職員は、事件前に退職しています。
検証委員会は「元職員を雇用していた期間があった」ことをもって「共同会に落ち度はなかったか?」と検証しようとしているようです。
事が起きてから退職した職員の採用時のことを取り上げられても、「元使用者」にはなす術がありません。

どの職場でも従業員の能力・適性については、実際に働いてもらわなければわからない面がたくさんあります。
そして一旦採用した従業員との雇用関係を解消するのは、使用者にとっては容易ではありません。

共同会は県の指定管理者であり、検証委員会は県が設置したことを考えれば、この点を取り上げない訳にはいかないかもしれません。
例えば「ある会社で大量殺人事件が起きた。その犯人が元社員だった」としたら。「その会社で犯人を採用したことは適切だったのか?」と、問われるのでしょうか。
検討委員の方々のご所属(大学や福祉関係団体など)で同様の事態が起きたとしたらどうでしょう。
元職場で殺傷行為に及ぶこと自体が常軌を逸しているので、採用時云々ということから検証することが妥当だとは思えません。


本厚木・海老名の心理カウンセリング EAPパートナー カウンセリング・オフィス