津久井やまゆり園で惨事が起こったのは4年前の7月26日です。
2020年1月8日初公判、3月16日判決公判、31日死刑判決が確定しました。

2016年事件の数カ月後、「津久井やまゆり園事件検証報告書」が神奈川県より提出されています。
ここではその報告書に書かれた内容について、福祉現場にいた者として、またEAPコンサルタントの立場から、思うことがいろいろあります。

【報告書 p.5、6】
2 事件発生までの経緯 (1) 被疑者の採用及び採用当初の勤務態度と園の認識 「ア 事実関係」について

死刑囚となった元職員は平成25(2013)年4月1日からの採用内定を得、それに先立ち平成24年12月から非常勤職員として働き始めたとされています。
ところが常勤職員になった平成25年5月には「食後のテーブルの拭き方が雑」「終業時間前に退勤してしまう」などが見られ、指導を受けています。
このことから、新採用職員として職務遂行能力と服務態度にかなりの課題を抱えていたことがわかります。

そして所属課で指導を受けても「謝罪する、改めるという態度がない」ため「支援部長や園長からも指導される」ようになります。
またそのころ「利用者の手首に腕時計の絵を描いた」ため厳重注意を受けています。
志以前、働く以前の問題ともいえそうです。

それにもかかわらず、元職員はその後も施設で働くことができました。それには理由があります。
・福祉業界の慢性的人手不足
・力仕事を任せられる若手男性職員への期待の高さ
・解雇に慎重な日本型雇用システム
福祉施設で働いたことのある人であれば、皆さんご存知です。とにかく人手が足りないのです。それはこの園に限ったことではありません。

使用者である園が、元職員に対する指導や育成の必要性を強く認識していたことは、報告書にも書かれています。
そして、たとえ業務上の課題が複数あったとしても、雇い入れた職員が「数年後に(ここまでの)重大犯罪を犯す」ことを予見するのは困難です。


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