2016年7月26日。あれから4年。
「津久井やまゆり園事件検証報告書」に書かれた内容について、福祉現場にいた者/EAPコンサルタントの立場でいろいろと思うことがあります。

【報告書 p.17】
報告書では、前回投稿に続く記載でも、施設側の対応を「課題」としています。
「5月30日に被疑者が退職の手続きに来園した際、(中略)園が、何も警戒せずに、通常の扱いで被疑者を園内に入れたことについては不可解である」。
ここでも、施設側の管理責任を過剰に負わせようという意図が窺われます。
職場として、元職員に関わるリスクが懸念されていたとしても、退職後も「いつ訪ねてきても対応できる体制で業務を行う」というのは実際には不可能です。

事実、施設が知りうる情報には限りがありました。
元職員が大麻使用による措置入院後、「退院したこと」も「家族の見守りも無いなか、地域生活を再開したこと」も、知っていたのは病院や警察関係者です。
その関係者らは、経過を施設側には連絡をしていません。
元職員自らが退院した旨を施設に電話し、それを受ける形で施設は再び警察署に連絡を入れ、対応を相談しているのです。
警察に相談し、対応を重ね、元職員が入院したことを知っていた施設側は、相当当惑したのではないかと推察されます。

これこそ、「不可解」以外の何物でもありません。
何故、情報を得ていた関係機関は「被害が及ぶかもしれない当事者」に何も知らせなかったのか。
何故、情報共有を怠っていた関係機関の責任を問わずに、被害に遭った施設側の責任ばかりを取り上げるのか。

園は県立施設であり、県への報告義務があります。同じように、県も施設に対して管理責任があります。

警視庁や県警が県側に想定されるリスクを伝え、県が適切にアセスメントし、県として必要な措置を施設がとれるよう指導することもできたかもしれません。
そのことを置き去りにして、施設の責任のみを取り上げて検証するのは、どうにも「片手落ち」のように思えてなりません。


本厚木・海老名の心理カウンセリング EAPパートナー カウンセリング・オフィス