2016年7月26日。あれから4年。
「津久井やまゆり園事件検証報告書」に書かれた内容について、福祉現場にいた者/EAPコンサルタントの立場でいろいろと思うことがあります。

【報告書 p.35】
「Ⅱ 対応として考えられる取組み 4 障がい者への偏見や差別的思考の排除 (1) 福祉施設における人材育成」 より
この項目には、以下のような記載があります。

□共同会は、法人として階層別研修や課題別研修、職員の研修活動を支援する取組みを実施
□事件のあった 園においても職務研修(OJT)はじめ人材育成に力を入れている
□共同会は過去10年にわたり「人権フォーラムかながわ21」などを開催
□事件発生後の園職員の献身的な業務への取組姿勢は、この間の人材育成の成果とも言える

それを受けて、検証委員会では次のようにまとめています。
「共同会の人材育成や人権教育に不足があったため、この事件が発生したとするのは適切ではないと考えられる。」
元職員の「偏った思想や障害者差別」を助長するような職場環境とは言えないと明示されているのです。

それにもかかわらず、元職員が犯行に及んだことについては、
「 園が、被疑者に対して、人権侵害と受け取れる言動について繰り返し指導を行ったにもかかわらず、
その差別的思考が変わることはなかったのはなぜか、(略)今後の捜査等の結果を待たねばならない。」
とされており、4年経った現在も明らかにはされていません。

ネットの投稿では、元職員の偏った思想が「園で過ごした期間に醸成された」かのように書かれているものもあります。
興味本位・事実無根の記事が大量生産され、それをさらに“つまみ食い”した投稿が再生産されることの罪深さを感じます。

事件により、ともに生きる者の命を奪われ、職場を汚され、日常生活が非日常生活と化してしまったあの日。
そうした中自分自身の安全が脅かされながらも、利用者の生活支援を続けた園の職員の方々がいらっしゃることを、身近な福祉現場にいた多くの人が知っています。
知らない人間にはわからない、そのことをここで申し添えておきます。


本厚木・海老名の心理カウンセリング EAPパートナー カウンセリング・オフィス