大きな災害・事故・事件が起こると、日本でも「心のケアが必要」と言われるようになりました。


臨床心理士、スクールカウンセラー、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント(国家資格)など、“心のケアの専門家”の存在も知られるようになってきましたが、「専門家であれば何でも出来るのか?」というと、それほど単純ではありません。
医療・医師であれば、救命(ER)の専門家が対応するのが望ましいように、心理職の有資格者であっても惨事ストレスケアの教育を受けていない心理職では対応が難しいだけでなく、対応した心理職が二次的被害者になる可能性もあります。
残念ながらそのことは関係者や心理職当事者でも充分な認識をされていない方が少なからずいらっしゃいます。

 

惨事ストレスケアは、一般的な「カウンセリング」ではなく「サイコロジカル・ファーストエイド」と呼ばれる対応が求められるので、治療的なカウンセリングや傾聴メインのカウンセリングとは全く異なる対応が必要です。

 

また当該案件に直接的に関わる心理職・専門家が関わることも慎重に判断しなければなりません。たとえ専門家・臨床家であっても、出来事に近いところにいる専門職は「当事者」「被害者」の側面を持っています。
勿論専門職も経験なしにスキルアップはできないので、実務で学ぶことは大切なのですが、心のケアには対応者の心の中立性や安定性が必要なため、出来るだけ当事者である専門職ではない立場の専門家に入ってもらうことが重要です。

 

「サイコロジカルファーストエイド」は自衛隊はじめ惨事に関わる公務員の方などへのケアとして、一定のトレーニングを受けた専門家が対応しています。
専門性と緊急性が高い対応のため、専門家に介入してもらうためには経済的なフォローも必要となります。

 

詳細はその領域の専門家の方にご対応いただくのが適切と思いますのでここでは初期情報提供に留めますが、実際の対応にはそうした配慮や手配も必要であることを、まずはお伝えしたいと思います。